河梨の十二灯 

 河梨の十二灯(府登録 無形民俗文化財)は、久美浜町河梨をあげての共同体の火祭りで、毎年8月23日夕方に行われる。

家々から1人ずつ男子が出て作業に当たり、子供たちもこれに参加する。
午後4時ごろ、あらかじめ用意しておいた松明用のコエマツなどを持ち、村はずれの山「万灯山」へ人々が集まり、その頂上でお灯明や十二灯などの製作を行う。
お灯明は直径30センチメートル、長さ1.2メートルほどの割竹を束ねた松明を7メートルくらいの竹竿の先端に付き差したもの。
十二灯は、長さ8.5メートルほどの檜の真柱に青竹でほぼ正三角形の枠を取り付け、その枠に左右各6本のスジカイを組み、その筋交いの先端に松明を突き差したもの。
十二灯の松明は、割ったコエマツ(松根)を束ねた直径20センチメートル、長さ50センチメートル程度のもので、真柱のてっペんに立てるものを合わせて合計13束用意される。  
十二灯を所定の位置に取付け終えると又木や綱を用いて直立させ、久美浜町内の愛宕神社の神前の火をもらい受けた火を使用して、愛宕山の方向に向けて固定し、炎上させる。

この行事の起源は知られていないが、在所では虫除けと豊作を祈る行事と伝えており、愛宕神社から種火を受けその方向に十二灯を立てるところから、愛宕信仰による献火行事になっているとも考えられる。
また、万灯山の名が残るように盆の火祭りの要素も考えられ、盆の民俗と愛宕信仰が習合した特色のある事例として貴重な祭りである。

ストーリー
<暮らしを彩る祭礼・芸能>
指定区分
府登録無形民俗文化財
住所
久美浜町河梨

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