丹後町遠下の依遅神社(いちじんじゃ)の祭礼に、太刀振とともにちいらい踊(府登録 無形民俗文化財)が奉納される。
現在、ちいらい踊は太刀振の中に組み込まれる形で伝えられており、この踊は、踊り子と呼ばれる六人の少年によって演じられる。構成は、太鼓打ち一人、太鼓持ち一人、ササラ二人、腰細(バチ)二人で、保育園から小学校四~五年生のものが務めることになっている。太鼓は露払が兼ね、ササラは右手に擦り棒、左手に竹を細かく割ったササラを持ち、腰細はバチと呼ぶ長さ三十センチメートル前後の棒を二本持つ。ササラと腰細は、トーザイと呼ぶ風流の帽子をかぶるのが特徴的である。
ちいらい踊は中世囃子物(ちゅうせいはやしもの)の流れを汲む風流踊であり、これらの踊は、丹後に「笹ばやし」と呼ばれ広く分布する小歌系の風流踊よりも、さらに古い伝承であり、貴重な民俗芸能である。