円頓寺 

大治山円頓寺は高野山真言宗の寺院で、用明天皇の皇子が国土を荒らす鬼類を退治したのち、薬師如来を安置したことに始まるといい、丹後に広く分布する麻呂子親王の伝説を伝える寺院のひとつである。
木造薬師如来及両脇侍像(国指定 重要文化財)は、右手を挙げ左手を膝上に置いて薬壷を執り蓮華座上に結跏趺坐する薬師如来坐像を中心に、日光、月光両菩薩立像を配す三尊構成で、各寄木造、漆箔の像である。造形的には、定朝様の典型的なもので、穏やかで優美な作風に特色があり、製作は平安時代の末期と考えられる。
寺に伝わる2面の熊野十二社権現懸仏(府指定 有形文化財)は、円形の銅製鏡板に、鋳銅製の十三体の仏菩薩・明王天部などを配す。現在は十三体のうちその一は五体、その二は四体欠失する。二面とも熊野十二社権現懸仏と考えられる。熊野十二社権現の本地仏を曼荼羅図様に配した懸仏は遺例にきわめて乏しく、貴重な作例といえる。
本堂(市指定 有形文化財)は、桃山時代の建築、総欅造り。万治年間(1660)城崎温泉寺の福聖院本堂を移したものである。
仁王門(市指定 有形文化財)は、享保7年(1722)祐詠法印代に建立、木造単層入母屋造り、茅葺建8坪。仁王像2体は鎌倉時代の作。
この他、円頓寺惣門修造勧進状(府指定 有形文化財)、山の神経塚出土遺物(銅経筒)(府指定 有形文化財)などを所有する。

ストーリー
<半島に語り継がれた豊かな伝説・伝承><花開いた仏教文化>
指定区分
重要文化財 府指定有形文化財 市指定有形文化財
住所
久美浜町円頓寺

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