延利(のぶとし)から与謝野町男山に通ずる府道53号線の両町の境界近くに「駒返しの滝」がある。
用明天皇の皇子 麻呂子親王が、丹後地方の鬼退治に向った際、馬を進めて竹野郡竹野に行こうして進みえず、馬を返したという伝承から起った名が「駒返しの滝」である。
その滝の傍に3メートル四方の巨石があり、その表面に丹後地方では珍しい磨崖仏(まがいぶつ)がきぎまれており、駒返しの滝地蔵(市指定 史跡)として信仰されている。
地蔵は30センチメートルと60センチメートルに丹型の凹みを作り、半肉彫に彫られている。その左に「貞和五四」(西暦1349年)の文字があり、室町時代に刻まれたものとされる。