徳運寺に伝わる観音菩薩立像(市指定 有形文化財)は、「尾坂の観音」として広く信仰を集めた旧尾坂寺観音堂の本尊で尾坂村の廃村に伴い昭和38年に徳運寺へ移された。像高84.5センチメートル、一木造、彫眼、素地仕上げの観音像で、室町後期の制作と見られる。切れ長で目尻のあがった目や、鋭い彫り口をみせる鼻や唇の彫法には、独特の厳しさが見られる。
花開いた仏教文化