峰山の常立寺の絹本著色釈迦十六善神像(市指定 有形文化財)1幅は、南北朝時代の作と推定される。箱書によると、もと高野山自昌院の什物と伝えられている。
絹本著色不動明王像(市指定 有形文化財)は、款記はないが描写からみて妙沢の作と考えられる。
妙沢は龍湫周沢といい、天竜寺の夢想国師に師事し、同寺の寿寧院に住し、鎌倉後期から南北朝時代に生きた人である。妙沢は不動明王像を毎日怠らずに一尊宛描いて二十余年に及んだと言われる。その遺作はかなり多く肉筆と版画が残り、本図は肉筆であり製作もすぐれている。
丹後峰山藩京極家の菩提寺であり殿様寺とも呼ばれる常立寺には、紙本著色京極歴代藩主肖像画(市指定 有形文化財)が伝わっている。
京極家初代藩主京極高通(安泰院)の肖像画は、束帯に身を正し、笏を持ち、上畳上に端座する姿で描かれている。