離湖古墳

離湖古墳(市指定 史跡)は、平成2年(1990)の発掘調査により発見された古墳で、南北43メートル、東西34メートル、高さ6.4メートルの不整形墳。墳丘裾には朝顔形埴輪、円筒埴輪が置かれ、墳頂部には2つの埋葬があり、長持形石棺と箱形木棺が直接埋葬されていた。

長持形石棺のあった第一主体部は盗掘にあっていたため、石棺の底石と副葬品の一部が残っているのみだった。
長持形石棺の底石は長辺2.4メートル、短辺(西)1.11メートル、短辺(東)0.93メートル、厚さ15~16センチで、縄掛突起を含む長さは2.75。
底石には側辺をはめ込む溝があり、長側石が短側石をはさむ形で彫り込まれいて、幅の広い南東側を頭にして埋葬したと考えられいる。
副葬品は、わずかに鉄刀、鉄斧、刀子、鉄鏃、三角板鋲留短甲などの破片が残っていた。

第二主体部の箱形木棺は、長さ4.88メートル、幅(西)0.7メートル(東)0.8メートルの棺で、仕切り板で三つに区切り、その中央に石棺と同じ方向に頭を向けて葬っている。
副葬品は、頭部付近右側から銅釧2、石釧1、勾玉1が、左側からほぼ対象の位置で鏡1、堅櫛1、勾玉、管玉、ガラス小玉多数が出土、頭部仕切り板より東から堅櫛1、足部仕切り板より西から鉄刀1、鉄剣1、棺外から鉄鉾1と鉄鏃3が出土している。

長持形石棺は王者の棺ともよばれ、大阪府大山古墳(伝 仁徳天皇陵)、京都府久津川車塚古墳などの大王級の埋葬に使用されるもののため、長持形石棺底石 離湖古墳第一主体部出土として、府暫定登録有形文化財に登録されており、実物は現地で見学することが可能。

ストーリー
<日本海の玄関口での交流・交易>
指定区分
市指定史跡 府暫定登録有形文化財
住所
網野町小浜