久美浜湾は、久美浜町湊宮から箱石浜にかけてのびる砂州「小天橋」により閉じられた周囲29キロメートルの潟湖。
佐濃谷川、川上谷川、久美谷川など久美浜町内を流れる河川が流れ込み、水戸口と呼ばれる部分で日本海に注いでいる。
水戸口の湾口は幅30メートル、深さ3メートル、長さ300メートルと狭小であることから湾内は日本海の荒波を受けにくく、1年を通して波は穏やかである。
日本海に面した潟湖は、原始~古代を通じて、大陸からの文物や高度な技術の導入をはかる上で欠かせない天然の良港であったため海上交通の基点となった。
このような潟湖は、河川による土砂堆積により姿を消したものも多いが、久美浜湾は現在まで潟湖が残る貴重な事例である。
山陰海岸国定公園の一部であり、山陰海岸ジオパークのジオサイトのひとつでもある。
波が穏やかなため、カキの養殖が行われているほか、カヌーも盛んに行われている。