大宮賣神社は、大宮売神(天鈿女命)と若宮売神(豊受大神)の二神を祀る古社で、延喜式内社の一つである。
境内からは古代の祭祀遺物の出土があり、古くから祭祀の中心であったことが窺えることから大宮賣神社境内として府指定史跡に指定されている。
元禄8年(1695)の建立といわれる旧本殿(市指定 有形文化財)は、丹後半島では珍しい隅木入春日造で、間口7尺、屋根は切妻と軒唐破風を組み合せて変化ある優れた外観をつくっている。
頭貫上に配された蟇股、唐破風下の蟇股、向拝の手挟彫刻など細部の意匠手法も巧み。屋根はもともと柿葺であったが、破損甚しく現在はその上に銅板を葺いている。 丹後大震災により本殿の上屋が倒壊したので昭和5年(1930)に新しく本殿を造営し、旧本殿は現在忠霊社として使用されている。
石灯籠(国指定 重要文化財)は現在本殿の両脇に立つが、もともと二神にそれぞれ献灯されたものであると考えられている。一基(向って右側)に「徳治二年丁未三月七日大願主□」の刻銘があり鎌倉時代の石灯籠である。総高266.6センチメートル。もう一基は無銘だがほぼ同期の作といわれる。総高259.4センチメートル。