平遺跡は、丹後町平の宇川河口左岸の日本海に面した砂丘上に営まれた縄文時代前期から中期、後期、晩期の長期にわたる遺跡であり、過去昭和38年、昭和40年に同志社大学、帝塚山大学考古学研究室により発掘調査が実施され、その土器は平式土器として知られ近畿地方における縄文時代中期末の代表的なものである。
平成8年度、国道178号線丹後半島周遊道路の改良事業に伴い、財団法人京都府埋蔵文化財調査研究センターが現地調査を実施し、縄文時代前期から晩期にわたる多量の縄文土器等の遺物が出土した。また、古墳時代の石敷遺構や製塩土器等も出土し、この平遺跡が丹後地域における縄文時代、古墳時代の極めて重要な遺跡であることが明らかになり、出土した平遺跡出土遺物(市指定 有形文化財)は丹後の縄文社会を示す遺物として高い資料価値を有する。