京丹後市市民遺産の認定について(第3~5号)












京丹後市教育委員会では、京丹後市市民遺産制度を令和6年1月に創設し、4月1日から公募を開始しています。
本制度は、行政側から選出し指定をはかる従来の「指定等文化財制度」とは異なり、市民から地域にある大切な遺産を提案していただき認定するもので、従来の指定等文化財制度では拾いきれなかった地域の特色ある歴史文化などの把握や保存活用、さらには地域の活性化につなげることを目的としたものです。(詳しくは、こちら)
今回、下記のとおり、令和7年3月26日付けで新たに3件の認定がありましたのでお知らせします。
【認定第3号】
名称:丹後最古 俵野廃寺
推薦者:俵野区、個人、古代丹波歴史研究所
該当要件:要綱第3条第1項第2号 地域の歴史や文化を象徴しているもの
概要:
俵野廃寺は、奈良時代に丹後国分寺が建立されるまでの、現在見つかっている丹後唯一の古代寺院であり、現状、丹後最古の古代寺院と言えます。本寺院のことは、『木津村誌』(S61)やこれを参考に地元住民がまとめた『俵野の歴史』(H16)に詳しく、これらによると古くは大正11年に塔心礎と思われる礎石が見つかっています。推薦者が協力して、令和6年4月17日に説明看板を設置し、さらに俵野ふれあい広場には石碑を設置し令和6年8月4日に除幕式を行うなど、地域が一体となって俵野廃寺の発信に努めています。

【認定第4号】
名称:河辺村の歴史遺産-大谷地区関係資料-
推薦者:河辺区
該当要件:要綱第3条第1項第2号 地域の歴史や文化を象徴しているもの
概要:
大谷地区関係資料は、五榜の掲示(高札)と不動尊講関係資料からなります。大谷地区の概要は、『大谷雑記』(S57)に詳しく、1600年代の中・後期に入植したことが本地区の起源と伝えます(昭和40年離村)。大谷地区関係資料のうち、五榜の掲示は、慶応4年3月に明治新政府の命により各藩が掲示したもので、第一札と第三札が残ります。また、地区には文政5年に興法寺住職が再建した石造不動明王像(大聖不動尊)があり、この関係で、多彩な不動尊講関係資料が残ります。「第三次河辺地域づくり計画」には、地域の遺産を活用していく事を基本理念として掲げるなど、大谷地区関係資料も、河辺村全体で守り伝えていくべき重要な歴史遺産として保存活用が考えられています。


【認定第5号】
名称:湯舟坂古代の丘公園
推薦者:須田区
該当要件:要綱第3条第1項第2号 地域の歴史や文化を象徴しているもの
概要:
湯舟坂古代の丘公園は、湯舟坂2号墳をはじめ、須田区の貴重な遺産を生かすため、須田ふるさと委員会が主導して、平成20・21年度に須田区住民総出で建設された公園です。主には竪穴住居と高床倉庫を復元しています。周辺には須田平野古墳やユリガ鼻古墳をめぐる散策路もあり、湯舟坂古代の丘公園を中心としたエリアでの活用ができるようになっています。湯舟坂古代の丘公園は地域にとって重要な発信拠点と言えます。年に数回、草刈りや竪穴住居を燻蒸するなど保存を図っているほか、近年は京都府立大学や高龍小学校との連携事業でも調査・学習の拠点として活用の幅を広げています。
